半年前と10年前、大きな悲しい出来事があって、たくさん人が死んだ。
晴れた空を眺めながら、いまだ晴れることがない、被害にあった人たちの心を思う。
ツインタワーが崩れ落ちる映像も、黒い波が車を飲み込んでいく映像も、何度も何度も見たけど、遠すぎてわからない。
いくらカッコつけてみても、対岸の火事。他人の不幸。
「9月11日」で何を思い出す?
って周りに聞くと、口を揃えて「豪雨」って言うんだ。
テロのちょうど一年前に、地元で降った大雨。
実際に酷い目にあった人にはその思い出の方が確実に色濃い。
体験したことのないことを想像で理解しようとするのは人間の凄いところだ。
でも想像は想像。わかった気になっているだけ。
さらに言えば人間は「忘れる」生き物で、想像で追体験しただけの悲劇はあっという間に忘れる。
だからきっと、誰かがしたのと同じ失敗を繰り返すんだろうなぁ。
忘れたらいけないこと。
ある人にとっては、どうしても忘れたいぐらい、悲しいこと。
ゆっくりでも変わっていって、新しいことを幸せと感じられるようになってくれて、あの日のことを、忘れたらいけないことだと言い聞かせなければならないぐらいに、なりますように。
