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猫が羨ましい、とか、思うのは、飼ってるとか飼われてるとか、そういうとこにこだわりがあるわけじゃなくて。
飼い猫が主人のあとついて回ったり悪戯したり邪魔したりずーっと眺めたり、飽きたら遊んでって強請ったり、腹減って餌の要求したり、そういうのってなんていうか、「当たり前」じゃん?
庇護されて、餌も貰って、すり寄るだけで愛されて、るのが、たぶん心の底ではものすごく羨ましい。
誰かを護るためにとか、養うためにとか、愛でるために生きるのがカッコいいと思って生きてきた。
オトコノコだかんね。
大事なものを護るためには爪を研いで牙を磨くことも大事だと思ったし、
大事な人ができたらたくさん楽しませてあげたいから抽斗の多い人間になろうと思った。
喧嘩は強くないけど頑丈にはなった。
負けを認めるのが嫌だから屁理屈が達者になった。
下手なりに道化を演じることも覚えた。
自分の稼ぎで飯が食えるようになるのは大前提だったから、「扶養家族」から外れたときは妙に誇らしかった。
これで誰かをちゃんと護っていけるかなと思った。
……なんだけど。
本性は、たぶん、褒められたがりの甘えたがり。それも極度の。
今でもいっぱい甘えさしてもらってるし、それはすげー幸せなんだけど、どうしてもどっかに、甘えてる俺カコワルイ、と思ってる俺がいて、ときどきわけわかんなくなる。
はー。ばかみたい俺ばかみたい。

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