少し昔の話をしよう。
今の仕事をする前に勤めていた会社は実はベンチャーなIT企業だったんだけど、社長がすげーカッコイイ人で(外見じゃなくて中身な、中身(笑))入ってからずっと、なんだか誇らしかったのを覚えてる。
社長って呼ばれるのが嫌いで、社内は全部名字呼びに統一されてたりとか。
(新入社員にも○○さん、って呼ばせてたんだぜ自分のこと)
自社ビルの最上階がラウンジになっててグランドピアノが置いてあってときどき披露したりとか。
ちょっと面白い人だったんだよ。
暇があるとよく少人数のミーティングとかに予告もなく顔出して、説法みたいな話をしていった。(笑)
「会社というのは何のために存在してるか知ってるか?」
「…お客様のため、ですか?」
「お客様のためなら商品を全部タダにして配ったらいいだろう?でもそれじゃ成り立たないね」
「…では社員のため?」
「半分正解。でも社員が儲けるためだけに動いているような会社に存在意義はないと私は思うね」
「…うーん」
「正解は『会社のため』だよ。会社ってのはお客様からお金をもらって利益を上げないと存在できない。会社があることでお客様はサービスを受けることができて、社員は日々の糧を得ることができて、社会に有意義なものを送り出すことができる。会社を存続させることにこそ意義があるんだよ。だから我々はお客様のために働く、ということより前に会社の存続の為に働いていることを覚えていなくてはならない」
万事がこんな調子で。わかったようなわからないような。(笑)
お客さんだからといって神様ばっかりとは限らない、イエスマンになるな、ということを言いたかったのかなぁと、俺は解釈した。
喋り方が上手かったのか俺の頭の回路が変なのか、堅い話はさっさと記憶の彼方なのに、面白いなと思った話は今でもちゃんと思い出せる。
ひとつ、いつもよく思い出す話がある。
母の日とか父の日とかの話題から派生したものだったはずだから今ぐらいの季節かな。
「きみは親孝行してるか」
「まだ全然たりないですけど…初任給でプレゼントは買いました」
「そうか。プレゼントもいいけどな、いちばんの親孝行は何か知ってるか?」
「うーん…」
「それはね、報告をすることだよ。なんでも。小さなことでも。きみは実家に住んでるのか?」
「いえ、一人暮らしです」
「じゃあ暇な時間があったらとにかく電話をかけなさい。一緒に住んでいる人なら5分でも10分でもいい、顔を合わせた時に報告をしなさい。話すことはたいしたことじゃなくていい、仕事の話でも友達の話でもいい、おいしかったものの話でもいい。きみたちが日々を元気に暮らしていることを、君たちの口から報告することがいちばんの親孝行だからね」
これ聞いたときに、親じゃなくても一緒だよなって俺思ったんだよ。
すごく大事なことだと思ったんだよ。
高価なプレゼントをもらうより一日一通のメールが嬉しい気持ちわかるから。
一日ひとつずつ記事を書こうと思ったのはそんな思い出のせいもあったり、なかったり。
見に来てくれるあなたに一日ひとつずつの報告。
なるべく心配かけないように、元気でやってますって報告をしたい。
時々べっこり凹んでるときもあるけど、なんとかね、頑張ります。(`・ω・´)
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