多分中2ぐらい?ちょうど今ぐらいの梅雨入ったばっかりの頃。
傘持ち歩く癖はその頃から無くて(笑)、部活帰りに見事に降られて部室の前で雨が弱まるタイミング見計らってたら、同じクラスの女子が傘持って通りかかって、「あ」って顔で俺見て。
「傘ないの?」
「ない」
「ふぅん?…途中まで入れてってあげようか?」
当時の俺はまだキスの先なんかしたことない純粋なお子様だったわけで。
ありがたい申し出に対する感謝とかシタゴコロよりも恥ずかしさが勝つ…わけで。
「もうちょい弱くなったら走って帰るし、いいよ」
「ふぅん……あ。」
傘を俺の傍に置いて、わざとらしく何か思い出したみたいに教室のほうへ戻って行って、すぐに何かでっかい紙袋を大事そうに両手で抱えて戻ってきた。
傘と、抱えた荷物と、俺を、交互に見やって。無言。
言いたいことはわかるけど。
「…何?」
「傘、持てない」
「…おう」
喋ったこと自体はよく覚えてないけど多分こんな。
なんかけっこう反対方向だったんだけど送って帰った。(笑)
道すがら、その子が喋るのにひたすら相槌うちながら、どこ見ていいかわかんなくて横ばっかり見てて。
紫陽花いっぱい咲いてて、綺麗だな、と思ったのを覚えてる。
……我ながら、甘っ。(笑)

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