俺の少し前に風邪をひいた事務のねーさんが、今日も朝から何度も咳払いしていた。
俺と違って熱が出たりはしなかったらしいけど、けっこう長引いてるっぽい。
「喉痛いんスか」
「…んっ。…んん。エヘン虫がいるー」
「…ッフフ。エヘン虫って懐かしいスね」
「そう?言わない?エヘン虫」
ねーさんが言うとちょっと可愛い。(笑)
「エヘン虫もそうだけど、腹の虫とか「かんのむし」とか、人間ていっぱい虫がすんでるよね」
「…ときどき居所が悪かったりするんスね」
確か少し前にそんな話をしたような。
不快なものに名前をつけようとしたときに『虫』と呼ぶことにした気持ちは分からなくもない。
虫は別にそんなに苦手なほうじゃないけど、ぞわぞわとたくさん這っていたりすると寒気がする。
「………喉に虫がすんでると思ったら気持ち悪くなってきた(´・ω・`)」
「ぶ」
調子が悪いとエスっ気が自分にも向くらしい(笑)
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