「あ パンイチだ」
「はぁ？」
運転中、交差点で止まってたら助手席の連れが唐突に呟いた。
ストリーキング手前な猛者はどこだと、視線を追って探してみても見つからず。
連れが指さしたのは左隣のトラック。
トラックなんかの横腹に運送会社の名前なんかの文字が入ってるとき、車の前方から後方に向かって字を並べるのがルールらしい。
だからそういうトラックを右側から見ると、横書きなのにもかかわらず右側から字が並んでる。
最近は読みやすさを優先してかそういう昔ながらの決まりはなくなりつつあるみたいだけど。
たまたまそのトラックは非常に年代物で、青いボディに白のペンキで達筆な字体で社名が書かれていた。多分手書きなその字は、社名どころかきっちりすべての文字が右→左。
「gk004,6量載積大最」
そこまでしなくていいだろ、と思いながら眺めて、ようやくヤツの呟きの意味を理解する。
まぁここまで書いたらオチはわかるだろうと思うんだけどそこに書かれていたのは
「般 一」
の二文字でした。ああ確かにパンイチだったよ…(´･ω･`)
何のためらいもなしにパンイチと読んだセンスには恐れ入った。
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