「分数同士の割り算って意味わかんねぇよな」
「あぁ、そこ来たか」
「どうしてひっくり返して掛けるんだよ」
「逆によ、そこをどうして疑問に思っちまうのかが俺にはわかんねぇわ」
連れと飯食ってて何の流れだかゆとり教育がどうこう言う話題になって、どこから算数が嫌いになるかって話で出てきたのが分数の割り算。
俺自身ちっともつまづいた記憶がないんで、なんでとか言われてもよくわからない。
聞いてみると、分数ってものを、たとえば『1個のリンゴを6個にわけたら一切れは6分の1個』とか、そういう具体的なイメージで考え始めちまうと、割り算に突入した時に突然ワケがわかんなくなるらしい。
確かに6個に分けたリンゴを6個に分けたリンゴで割る、とかイメージに変換したってわけわからんわな。
もういっそのこと分数の単元の最初から、1個を何個に切り分けるとかそういう説明すっぱりやめるべきだと思うわ、俺。
たぶん、マイナスにしかならない。
つまづいてる子がいたら言ってあげて下さい。
『算数はゲームだと思いなさい』って。
分数で割れって言われたら何も考えずに分子と分母をひっくり返したのを掛ければいいんだよ。
たとえばさぁ。
マリオはどうしてどんどん右に進んでいくの?とかどうしてジャンプしてブロックを壊すとコインが出るの?とかどうしてキノコで大きくなるの?とか(笑)、そんなこといちいち疑問に思わねぇしょ。
そういうルールだから。
数学にはたくさんルールがあって、ルールを見つけたのは昔のどっかの偉い人で、そのおかげで俺らは言われたとおりにするだけでゲームをクリアできるんだよ。
ルールはどんどん複雑になるけど、それさえ間違えなければ解けない問題はない。
……少なくとも大学に入るまでぐらいは(笑)
数学ってifから始まる学問だと思うから、今あるカタチから思考を組み立てることしかしてないと、とっつきにくいんじゃねぇのかな。
もしかしたらこういうルールがあるんじゃないのか?って、ほとんど妄想みたいなところから始めて、そのifに矛盾が無いかどうかをひとつずつ確認していって、矛盾がどこにもなければそのifが正しかったと認定する。
確立されたルールを使うだけなら中身について考える必要はない。
(ルールの使い方を身につけるのは、厳密には数学じゃない、ただの計算だ)
まぁ、あれだ。
分数の割り算で盛大につまづいたヤツも今ではまともにエンジニアなんで、世の算数嫌いのお子様方はあまり悩むでないよ。(笑)

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