読書メーターの感想欄じゃ足りなそうだったからこっちで。
俺、ノベライズ作品はあんまり好きじゃない。
映画化やアニメ化はいい方に転ぶと化けることも多いけど、ノベライズはこれまでことごとく期待を裏切られてきたから。
宮部みゆきはずっと好きで、「ICO」のノベライズ作品を書いてたのも知ってたけど、意識して遠ざけてたフシがあった。
大分前に手放してしまったけど、あのゲームは今でも俺の中では神ゲーで、世界観壊されてがっかりしたくなかった。
けど。もうゲーム自体の詳細な流れも忘れてしまって、そろそろゲームと切り離して読めそうだったのと、思いがけず図書館の棚で見つけて嬉しかったのとで、手を出した。
宮部みゆき「ICO」
前置き長いですねサーセン(笑)
結論から言うととても楽しめました。
…結論短いですねサーセン(笑)
アニメ化などとは反対の作業だけど、ノベライズするからにはただ原作の筋を忠実に書けばいいわけじゃない。それじゃただの脚本だ。
原作者が伝えたかったテーマはもちろん、計算された演出効果だのを全部描きこまなければ同等たりえない。百聞は一見に如かないのにもかかわらず、わざわざ文章に変換するのは簡単ではないと思う。
原作と違う展開、というパターンもありだけど、途中で分かれたストーリーは微妙に納得のいかないパラレルワールドを作り上げるか、劣化した別エンディングになり下がる場合が多い。
彼女のICOは原作のゲームから逸れているのにも拘らずICO以外の何物でもなかった。だから面白かった。
世界観がきっちり受け継がれたうえに、さらに設定や背景が緻密に作り込まれていて、オリジナル設定のほとんどがゲームの世界にしっくり馴染んでいた。
イコが少し大人っぽ過ぎるというか、かしこすぎるような気はしたけども(笑)
多分、書いた本人がこのゲームをホントに好きなんだろうなぁ。
久々にもう一周したくなった。もっかい買ってくるか…(笑)

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