大事なものが唐突に手をすり抜けて離れていってしまって、魂を削るみたいに悲痛な言葉を紡ぐ友人を前にしても。
どうしていいかわからないのは多分、俺の中にそんな熾烈な感情というか、執着というか、そんなもんが足りないからだと思う。
痛みがわからないわけじゃない。
息の仕方を忘れるぐらい、瞬時に頭の中で自殺マニュアルを何通りかシミュレートしてしまうぐらい、確かに傷ついた思い出はそれなりにある。
解析できないブラックボックスと一緒に答えだけつきつけられたこともある。
置いてけぼりにされたみたいなやりきれなさもわかる。
でも俺の思考回路はお気楽寄りにできているらしくて、いくら理不尽な答えが解答用紙に書かれていたとしても、相手のことはどうしても嫌いになれなくて、結局割と早い段階で、「お互い生きてるんだったらそれでいっか」とか果てしなくマクロな思考になって、心が均衡を取り戻してしまう。
世界の何処にもいなくなっちまったんだとしたら、喪失感を埋めるのには多分時間がかかると思うけど。
自分だけのものにしたいとか、どうしてもこの人じゃなきゃだめなんだ、とか、言葉にしたこともなくはないけど、実感が伴ってなくて嘘っぽい。気がする。
…わかんないんだよ。
あー、俺って欠陥商品だなぁ。こんな奴が誰かに本気で求めてもらえるワケねぇなぁ。
持って生まれた性格的なモンだろうからしょうがねぇなって諦めてはいるけど、正直羨ましんだよ。
あーあとね全然迷惑じゃないんでむしろ嬉しかったんで「気にしないで」とか言うなよ。無理だもん。(笑)
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