スティル・ライフ

もらったメールを何度も何度も読み返す。
俺宛てのメッセージも保存できたものは読み返す。
声に出して言われた言葉は頭の中に録音して思い出す。
言葉に封じられた想いはいつまでもほんのりあったかくて、引っ張り出すたびに少しずつ力をくれる。

自分がどれだけ相手のことを好きかって、いくらたくさん言葉を並べても抱きしめる一瞬に敵わなかったりするけど。
言葉は、残りやすいからいい、と思う。
声も、匂いも肌触りも風化してしまった昔の恋人の、口癖だけやけにはっきり覚えてるみたいに。
いつまでも同じ形で残るうえに、印象的な言葉はそれだけで何か力を持って、人の心を動かして、物事に影響していく。
人が言葉にありったけの思いを込めるのは、きっとそんなチカラを信じてるから。

全く同じ言葉でも使う人やタイミングによって重みが全然違うのも面白い。

計算しつくされた美辞麗句よりも必死な一言に心を動かされる。
考え抜いた言葉も切羽詰まった叫びも、自分に向けられている愛の言葉ならきっと全部嬉しいけど、どっちがより心に響くかって言ったら叫ばれた方なんだと思う。
…きっとそういうことだよ。(笑)←ちょっとだけ私信風

ちょっと中の人がでしゃばるので折りたたむ。(笑)

たかが言葉遊び、と思ってみるけど、かけ離れて真実味のない言葉をしゃべらせてみたらうすら寒い思いばっかり残った過去があって、それからいつもどうしてもリアルに近くなる。
価値観も嗜好も気分も、全くの捏造なんてできやしない。
言葉遊びなんだから楽しかったらそれでいいじゃない、って割り切れない。
楽しいも嬉しいも愛しいも淋しいも切ないも悲しいも腹立たしいも悔しいも、全部本気で感じなきゃつまんない。

いくら大事にしても偽物だよ、でも大事なことは本当だよ。



引かれそうなスタンスだよなぁ、今更だけど。(笑)